ソフト闇金とは

闇金には「怖い」「危険」といったイメージがありますよね。実際、闇金からお金を借りれば、厳しい取り立てを受けたり、法外な利息を請求されたりするかもしれません。

ただ、「ソフト闇金」と呼ばれる新たな業態の違法業者も増えています。ソフト闇金というとあたかも優良業者のように聞こえるかもしれませんが、ソフト闇金も闇金なので注意が必要です。

いったいソフト闇金は普通の闇金と何が違うのでしょうか?この記事では、ソフト闇金とは何か、これまでの闇金との違いや危険性、そして口コミについてまとめました。

「どこからもお金を借りられない!」
「ソフト闇金なら大丈夫そう?」

このように思っていた人は、違法な金融業者からお金を借りる以外の解決策も紹介するので、ぜひ最後まで目を通してください。

ソフト闇金とは?

まずはソフト闇金とは何かを簡単に説明しますね。

ソフト闇金は違法な貸金業者の1種類で、従来の闇金とは違った丁寧、親切な対応を売りにしています。

ソフト闇金と闇金の違い

ただし、闇金の種類に明確な分類はありません。本来、貸金業を営むためには国や都道府県から登録を受けなくてはいけませんが、無登録で営業している貸金業者はすべて闇金なのです。

そのため、「ソフト闇金」は自分たちでそう呼んでいるだけだと思ってください。何かの基準を満たした闇金がソフト闇金に分類されるといったものではないのです。

「ソフト」とつけることで昔の闇金とは違うということをアピールするのが狙いでしょう。

ソフト闇金は普通の闇金と何が違うの?

それでは、ソフト闇金は普通の闇金と具体的に何が違うのでしょうか?

主な違いを挙げるなら次の4つです。

ソフト闇金と普通の闇金の違い

  1. 厳しい取り立てを行わない
  2. 金利がそこまで高くない
  3. 消費者金融と変わらない月1返済・先引きなしも多い
  4. 検索すると簡単にホームページが見つかる

先ほどもいいましたが、ソフト闇金に明確な基準はないです。また、ソフト闇金を名乗る業者なら絶対に厳しい取り立てがないのかというと、そんなこともありません。

そのため、あくまでもソフト闇金の傾向だと思ってください。以下でソフト闇金と闇金との違いについて詳しく見ていきましょう。

  • 厳しい取り立てを行わない

    名前の由来でもありますが、ソフト闇金は基本的に利用者に対して親切丁寧(ソフト)な態度を取ります。
    優しく、穏やかに対応してくれるため、一見闇金には思えないでしょう。

    取り立てに関してもすぐに通報されてしまうような厳しい方法は取りません。

    例えば、会社や自宅にまで乗り込んだり、しつこく電話をかけたりして警察や弁護士に相談されると困るので、できるだけ穏便に済ませようとするのです。

  • 金利がそこまで高くない

    ソフト闇金はお金を貸す際の金利もそこまで高くありません。
    これも同じ理由ですが、あまりにも法外な利息を請求すれば、すぐに返せなくなる可能性が高いです。

    それでトラブルになれば警察などの介入もありえるので、違法ではあるものの、利用者が何とか返済できる程度の金利に設定します。
    業者側にしたら、短期的な利益は減っても長く関係を保てた方が、旨味があるということでしょう。

    ただし、ソフト闇金は親切丁寧に対応するとはいえ、違法な金利でお金を貸しています。
    法律で年20.0%を超える利率は違法とされていますが、これをはるかに上回る金利だということは覚えておいてください。

  • 消費者金融と変わらない月1返済・先引きなしも多い

    通常、消費者金融や銀行からお金を借りると月に1回の返済で、元金の一部に利息を加えて返します。

    ただ、闇金はそこまで大きな金額は貸さないということもありますが、1週間、10日など短いスパンでお金を貸すのが普通です。

    一方、ソフト闇金の場合、普通の消費者金融と同じく月1返済の業者もあり、お金を借りてから返すまでに少し猶予があります。

    また、闇金ではお金を貸すときに利息を事前に引く「先引き」もよく行われますが、ソフト闇金は先引きなしの業者も多いです。

    例えば、5万円を10日で2割の金利で借りる場合、2割に当たる1万円が先に引かれて、実際に渡される現金は4万円になります。

    先引きなしなら他の業者よりもたくさんの現金を手にできるため、中には先引きなしを売りにしているソフト闇金もあるようです。

  • 検索すると簡単にホームページが見つかる

    無登録での貸金業は犯罪なので、闇金が堂々と勧誘することはありません。
    ホームページなどはなく、ポストにチラシが入っていたり、電柱にビラが貼ってあったりする程度です。

    ですが、ソフト闇金を名乗る業者のホームページは、ネットで検索すれば簡単にいくつも見つかります。

    ホームページでは融資の流れが丁寧に説明されていて、業者によっては個人情報の保護方針が記載されていることもあります。

    闇金のイメージを払拭する目的もありますが、ホームページを見ただけだと中小規模の貸金業とあまり変わらないでしょう。

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実は優良なソフト闇金業者は存在しない!

ソフト闇金と普通の闇金の違いについて説明してきましたが、実は、ソフト闇金に優良業者は存在しません。

グーグルなどの検索サービスで「ソフト闇金」と打ち込むと「優良」というワードも出てくるので、少しでも危険性が低い業者からお金を借りたいと考えている人は多いのでしょう。

ソフト闇金に対して「無許可で営業しているだけで危険性はない」と勘違いしている人もいるかもしれませんが、闇金である以上、優良な業者はないと思ってください。

返済できない場合は危険な目に遭う可能性あり

ソフト闇金は対応が親切丁寧といいましたが、それはちゃんと返済できている間だけです。

ソフト闇金でも返済が遅れると危険な目に遭う恐れがある

利用者になめられれば返済が度々遅れたり、逃げられたりするかもしれません。高い金利でお金を貸しているとはいえ、元金が返ってこなければ業者にとってはかなりの痛手でしょう。

そのため、返済できなかった場合は、普通の闇金と同じように危険な目に遭う可能性が高いです。

年20.0%を超える違法な金利での貸し付け

前述の通り、年20.0%を超える利率は違法です。また、10万円以上の融資は年18.0%以下の金利にする必要があるため、ほとんどの消費者金融や銀行は年18.0%以下の金利に設定しています。

ソフト闇金は従来の闇金に比べれば低めの金利ですが、違法な金利であることに変わりありません。

中には2週間後の返済に対して2割の金利が取られたというケースもあり、これは年率換算すると法律で定められた金利の20倍以上に相当します。

闇金は違法な金利で貸し付けを行う

ソフト闇金は正規の金融機関で融資を断られた人をターゲットにするため、このような足元を見た法外な金利なのです。

「金利は2週間で2割だから」「2万円貸すから、2週間後に4千円上乗せして返して」などといわれるとこの金利がいかに高いのか分かりにくいですよね。

ですが、いずれも法定金利を大きく上回る違法な利率になります。

別の悪質業者や暴力団と繋がっていることもある

繰り返しになりますが、ソフト闇金を名乗っていても、特に何かの資格を持っていたり、基準を満たしていたりするわけではありません。

そのため、普通の闇金が別業態としてソフト闇金を運営している可能性もあるのです。また、別の悪質業者や反社会的な組織と裏で繋がっているケースもあるでしょう。

ソフト闇金だから安全ということはなく、返済できないとそのような違法組織から嫌がらせを受けたり、個人情報を横流しされたりする危険性もあると思ってください。

ソフト闇金の審査ならブラックでもお金を借りられる?

ソフト闇金の利用を考えている人の多くは、正規の金融機関では融資を受けられなかった人だと思います。

正規の金融機関は信用情報機関に加盟しているので、信用情報がブラックだと基本的に審査に通ることはありません。

特に大手は信用情報を重視するため、債務整理や長期延滞といった異動情報が載っているなら、コンピューターによって自動的に足切りされてしまうでしょう。

一方、ソフト闇金であればブラックでもお金を借りられます。ソフト闇金は正規の金融機関ができないような取り立ても行い、無理やりにでも貸したお金を回収するノウハウを持っているのです。

そのため、お金が返ってくる見込みがあれば、ソフト闇金はブラックにも融資します。

ただし、ソフト闇金も無審査で融資はしません。以下ではもう少し詳しくソフト闇金の審査について説明していきます。

ソフト闇金も完全に「審査なし」ではない

「(ソフト)闇金は審査なし」と思っている人もいるかもしれませんが、審査自体は行われます。

審査基準が異なるだけでソフト闇金もお金を貸して大丈夫な相手なのか、いくらまでなら貸せるのかを審査するのです。

ソフト闇金は正規の金融機関ではないので、貸金業法、総量規制といった法律を無視しています。通常の金融機関ならお金を貸せないような相手に融資することもありますが、それは、回収できる見込みがあるからなのです。

系列店の利用があると融資を断られやすい

インターネットでちょっと検索するだけでもたくさんのソフト闇金が見つかります。ただ、ソフト闇金には系列があり、関係のない業者に見えても同じ人が運営していることもあるのです。

その系列店でお金を借りている場合、基本的に同じ系列のソフト闇金からお金を借りることはできません。融資総額が増えればソフト闇金側としてもハイリスクになるため、系列店の利用があると融資を断ることも多いのです。

先ほどもいった通り、ソフト闇金は信用情報機関に加盟していません。そのため、他社での借入状況を信用情報機関に照会して調べることはできないものの、系列店での借金は把握されています。

系列店なしのソフト闇金も存在しますが、正規の業者と違って不透明な部分が多いので、ホームページをちょっと見ただけでは判断できないでしょう。

在籍確認なしでも職場は確認される

こちらも勘違いしている人が多いですが、ソフト闇金も働いている人が相手なら職場の確認は行います。

闇金でも在籍確認を行う

中には在籍確認なしを謳う業者も存在するものの、給与明細+社員証で職場を確認したり、勝手に職場へ連絡したりするケースもあるので注意してください。

裁判で闇金への返済は不要という判決も出ており、中には借り逃げを前提で来る人もいます。ソフト闇金側は借り逃げのリスクを回避するために、身元確認、職場確認はしっかりと行うのです。

闇金だからといってチェックが緩いわけではありません。

ソフト闇金の実態・危険性が分かる口コミ

テレビニュースで取り上げられることもあるので、ソフト闇金という言葉の認知度は以前より増したと思います。ですが、実際、ソフト闇金がどのようなものなのかピンと来ませんよね。

違法な業者とはいっさい関わらないのがベストですが、ここではその実態、危険性が分かる口コミをいくつか紹介していきます。

聞いた利息とは別に手数料を取られた。
融資を頼んだときは10日で2割と説明を受けました。
他の闇金よりは金利が低そうだったため、5万円ほど融資をお願いしたのですが、手数料を引かれて受け取ったのは4万円。
話が進んだところで急に手数料がかかるといわれ、悩む暇はなく何もいえませんでした。
それに払うのは5万円分の利息で、いったい手数料って何なんだっていう感じです。
在籍確認なしのはずが、職場にも電話があった。
ホームページには「在籍確認なしなので安心」といったようなことが書かれていたのですが、実際には電話がかかってきていたようです。
ちょうどそのときは闇金の担当者と電話をするために席を外していたので、後から自分宛の電話があったと同僚から伝えられました。
怪しまれはしなかったので良かったですが、ホームページとかに書かれていることは信じない方が良いかもしれません。
3万円しか借りられなかった上に金利が高すぎる。
通っているキャバクラの女の子にどうしても誕生日プレゼントを渡したかったのですが、前に欲しいといっていたブランド物のバッグを買う余裕はなく、ソフト闇金でお金を借りました。
ただ、はじめてだと3万円が限度な上に、利息は10日で3割。
そのときはどうかしていて、ないよりはマシだと思って借りたのですが、冷静に考えると10日で9,000円の利息を払っていたのは馬鹿だと思います。
返済日にお金が足りないというと怪しいバイトを紹介された。
はじめはすごく優しく話を聞いてくれて、お金が足りないときも「◯◯さんは信用できるから」といって待ってくれていたのですが、借りている金額が大きくなると態度が急変。
「返せないなら仕事を紹介する」といわれたときは本当に怖かったです。
仕事の内容は怖くて聞けず、結局、両親に頼み込んで借りていたお金はすべて返しました。
去年、父親が定年退職したという話をしていたので、今考えると自分だけの力では返せないと分かっていながら、どんどん借金させられていた気がします。

「ソフト闇金しか選択肢がない」と思ったときの対処法

どうしてもお金が必要でソフト闇金しか選択肢がないと思っても、闇金である以上、絶対に手を出してはいけません。

安心な大手消費者金融や銀行からお金を借りられるのが一番ですが、おそらくソフト闇金の利用を考える人の多くはすでにそれも難しい状況でしょう。

ただ、大手からお金を借りられない状況でも、ソフト闇金以外の選択肢はまだ残っています。

安定した収入があるなら中小規模の消費者金融を検討する

まず、安定した収入はあるものの、信用情報の問題でお金を借りられないという場合は、中小規模の消費者金融を検討してください。

ほとんどの人は大手で融資の申し込みをするため、中小規模の消費者金融はその審査に落ちてしまった人の受け皿としての役割を持っています。

正規の貸金業者なので信用情報は確認しますが、大手に比べると現在の収入を重視する傾向があり、ちゃんと働いていて安定した収入があるなら審査に通る可能性はあるのです。

ただし、他の金融機関でもお金を借りている場合、少額融資になるケースが多く、他社への返済のために借入残高を増やすのもおすすめしません。

ブラック・多重債務でも債務整理は行える

返済の見込みが一向に立たない場合、利息を返すだけで精一杯という場合は、債務整理も検討すべきです。

債務整理は合法的に借金を減額したり、返済義務を免除してもらったりできる手続きのことで、ブラックや多重債務の人でも行えます。

信用情報に記録が残るので数年はローンを組んだり、クレジットカードを作ったりはできなくなるものの、借金返済の目処が立ち、生活を再建する手助けになるでしょう。

借金問題は時間が解決してくれるものではありません。もし返済できそうにないなら、債務整理を扱う法律事務所に相談してください。

インターネットでどのくらい減額されるのか無料でシミュレーションできるサービスもあるので、ひとまず検討したいときはそのようなサービスも便利です。

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もしソフト闇金を利用してしまったら?

もしソフト闇金でお金を借りてしまい、返済や取り立てで困っているなら闇金問題を扱う法律事務所に相談してください。

前述の通り、闇金からの違法な利率での融資は返済する必要がありません。ただ、相手はそのことを理解した上でお金を貸している闇金です。ソフト闇金なら簡単に引き下がってくれるということもないでしょう。

自分で交渉するのは難しいので、闇金問題を扱う弁護士や司法書士などの専門家に対応を一任することをおすすめします。

また、暴力や脅迫など実害が出ているときは、警察へも相談すべきでしょう。

【まとめ】ソフト闇金も普通の闇金と一緒!「ソフト」に騙されてはいけない

ソフト闇金とはどのようなものかについて説明してきました。昔よりも闇金への規制は厳しくなっていて、闇金側も警察を敵に回すのが得策ではないと分かっています。

派手に動けば警察に摘発されるリスクが高まるので、そのようなリスクを回避するために生まれたのがソフト闇金です。

一見、普通の貸金業者と変わらないように見えても、違法な金利を長期間払わせ続けて、正規の金融機関ではお金を借りられない人からの搾取を繰り返します。

「ソフト」と付くだけで利用しやすいように感じるかもしれませんが、ソフト闇金も普通の闇金も危険性は一緒なのです。

大手がダメなら中小規模の消費者金融に相談して、すでに返済できない状態なら債務整理も考えましょう。ソフト闇金でお金を借れば借金はどんどん増えていくので、問題の解決にはなりません。

また、最初から借りないのが一番ですが、もし借りてしまったなら弁護士などの専門家の力を借りることも検討してください。